Q:実家で眠っているピアノを子どものために自宅に持ってきたいのですが、まだ使えますか?修理と調律をして移設するにはいくらくらいかかりますか?
A:実家やお知り合いの所からお金をかけてせっかく自宅に運んで来たけど、調律してもらおうと思ったら「修理しないと使えない。買いかえた方が安い。」と言われてしまった方もいらっしゃるようです。それで賢明にも、運ぶ前にピアノの状態をチェック・見積もってもらってから、新しく買うのか運ぶのか決めようとご相談してくださる方がよくいらっしゃいます。
長年使わず、調律していなくても、音の狂いと簡単な調整だけで、2度の調律料金ですむ場合もありますし、ネズミや虫に中身をグチャグチャにされてしまっていたり、響板までヒビが入っていたり、弦を留めて調整するためのピンがゆるんでそのままでは調律できなかったり、サビやカビによる部品交換など、様々なケースがございます。
しかし、たとえ他社で買い替えをすすめられるようなピアノであっても、メーカーや保管状態によっては、工房に預かっての大規模修理を施さなくても、アクション・鍵盤などの持ち帰り修理と数回の出張修理で蘇らせることが可能な場合もあり、その分他社より低料金でできるので、「あきらめていたのに、こんなに安く、また弾けるようになるなんて!」などと喜びと驚きの声をたくさんいただいております。
まずはお見積りに伺います。電話によるお見積りは無料です。(他社の詳しいお見積もりがある場合でしたら、お電話だけでもある程度必要な修理がわかりますので、修理料金の比較ができます。)出張お見積もりは、出張料をいただく場合がございますが、調律や修理をされた時に代金からお見積もりの出張料をお引きいたしますので、実質無料となっております。
また、ご実家やお知り合いのところからのピアノでも、自宅できれいな状態で気持ちよく使えるようにと、運送の前にクリーニングもされる方、音を気にされて消音ユニットを取り付けたり、防音マットや絨毯を購入される方もいらっしゃいます。お子様が「うわ~!これ本当におばあちゃん家にあったピアノ?!」「新品みたい!」と大喜びでさっそく弾いてくださっている様子を見て、私もこの仕事をやっていてよかったと毎回感じております。
Q:冬の時期のピアノに関する注意事項はありますか?
A:寒くなる時期に「調律してそれ程経っていないのに、調子が悪くなった。」と言われ、行ってみますと、加湿器やストーブなどをピアノの近くで使っているのが見うけられることがよくあります。
寒くなってきますと、かじかむ手をストーブなどで温めながらピアノを弾きたくなりますね。
しかしながら、ピアノは湿度変化の影響を受けやすい楽器ですので、湿度が高すぎても、反対に乾燥しすぎもピアノにとってよくありません。
特にスチーム付きのストーブや加湿器を近くに置くなら、全体的には冷たいのにピアノの一部だけが温まり、金属の膨張や木部の反りで、音律の狂いやタッチの重さにバラつきが出てきます。さらに深刻になれば部品同士に隙間があいて交換修理が必要になったり、接着部が剥がれたり、逆に隙間がない箇所はひび割れが生じたりする可能性があります。 少々大げさになりますが、寒くて体が動かない時は部屋全体をゆっくり温めていくのが、賢明です。
Q:ピアノを置くのに床の補強は必要ですか?
A:住まいの床や柱など、建築資材によってひとくくりには申し上げられませんが、アップライトピアノ一台の重量は250~280Kgで、畳一枚の空間にお父さんが4人ずっと座り続けているイメージです。それだけで家が傾いたり、床が沈みこんだりしそうにはありませんが、他の家具や、柱・梁・壁の配置とのかねあいで加重が集中し、ひずみが出てしまうケースは実際に起こっています。最近は荷重を分散させる保護パネルなどを下に敷き、床暖房による熱も含めた対策にあてる方が多くなっています。
音楽工房ピアノサロンでは、こちらのビッグパネルがよく売れています。
中にはご主人さんが日曜大工で手づくりされたとおっしゃる方もいらっしゃいます。
Q:素人と調律師の違いはどこですか?
A:はっきり違いが出るのは、保持力です。ピアノの弦はとても強い金属でできており、またその弦を保持するチューニングピンも固く締めつけられていますので、ギターやヴァイオリンなどで慣れた人でも、また違う力強さが求められます。実際に初めて工具を使って調律してみますと、ひとつの弦を合わせるために何十分とかかってしまいます。そして、はじめに合わせた弦を基準にして次の音をとるのですが、基準になるはずの音がどんどん狂っていくので、作業が進まない、という事態に陥ります。プロの調律師が合わせたピアノは、家庭用の場合で1~2か月は「とても良い音」の状態を保持できると期待できますが、それ以外の人は、次の日までも持たせられない、というのが実情だと思います。
Q:自分で調律できますか?
A:最近は通信販売で調律に必要な工具が手に入りますので、スマートフォンのアプリやインターネットからの情報で手順を覚え、作業をすることは可能です。しかしすべて、自己責任であることを理解し、作業時間も、一般の調律師がかける何倍もかかってしまうことを覚悟して下さい。また、私個人としましては弾き心地を整え、金属部の錆やフェルト部の摩耗をあらかじめ防ぐ工程も含めた「定期点検」をおこないながら、各部の最終チェックを兼ねて調律作業にあたっています。それらすべてにかかわる工具と知識を準備する時間や費用・労力も考えますと、任せていただくのが賢明かな、とは感じます。
Q:ペダルなど 金属部の磨き方は?
A:錆びて変色したペダルや金属は、ホームセンターなどでも売られているコンパウンドを、フェルトやクロスに付けて磨きます。たまに表面をコーティング塗装してあるものもあり、まずコーティング塗装を剥がさないと磨けないものもあります。
Q:黒いピアノが白っぽくなってしまいました。
A:それはもしかするとツヤ出し保護剤のつけ過ぎなど、使い方を間違えているのかもしれません。ツヤ出し保護剤をつけた直後は黒くよく光りピカピカになったように感じますが、しばらくするとツヤがなくなり、何度も繰り返すうちに、ほこりや汚れを重ねながらツヤ出し保護剤を幾層も積み重ねてしまうので白っぽくなってしまいます。
解決方法
お家でされる時はクロスやフェルトなどの柔らかい布を水洗いしてよく絞り、電子レンジで熱して蒸しタオル状態にしたもので何度も拭き取ると、ツヤ出し保護剤が取れてピアノの塗装面が出てきます。(熱いのでミトン型の鍋つかみを使うと力が入るかもしれません)塗装が弱くはげてしまうものもあるので目立たない所で試してみて下さい。
微粒子研磨剤で磨くのもありですが、キズが付いたり、ハゲてしまったりと、加減が難しいのでオススメできません。薬剤がきれいに取れたら、改めて正しい方法でツヤ出し保護剤などをお使いください。
Y社ツヤ出し保護剤の使い方
薬剤を使う前にまず、ホコリなどを毛ばたきや柔らかい布で軽く取り除いて(汚れのひどい場合は水分をよく絞った柔らかい布で拭いてさらに乾拭きして)綺麗にしてから、薬剤をつけた布でムラ無くしっかり拭きあげてください。間違ってベタベタにつけてしまわないように気をつけて下さい。ベタベタしているところにホコリがついて固まってしまいます。*商品によって違うかも知れませんので、説明書をよく読んでご使用ください。
Q:市販の防音用品を買わなくても、隣近所に響かないように防音できますか?
A:一戸建ての場合、家の外に音は漏れていても、隣のお家は壁の内側までは心配するほど音が伝わっていないこともあります。しかし集合住宅の場合は逆で、弾いている本人とほとんど変わらないレベルで音が伝わっている場合があり得ます。音はすなわち振動なので、ピアノと床が接触する部分に振動を抑えるゴム製のインシュレーター(キャスター台)や、絨毯を敷いたり、ピアノの音が出る響板を吸音効果のあるコルクボードや遮音カーテンでふさぐなどで、ある程度の対策はできます。いずれにしても一般常識として許される時間をオーバーして演奏する必要がある場合はカバーできませんので、防音工事や消音ユニット、専門の防音用品が不可欠になってくるでしょう。
Q:2本ペダルのグランドピアノを、ペダルを3本にできますか?(ソステヌートペダル取り付け)
A:メーカー・年式によって差はありますが、1980年代、一時的に2本ペダル仕様になっていたヤマハ製グランドピアノであれば、ほぼ確実に3本ペダル化できます。
ピアノを丸ごと預かり、保管先で作業することが一般的なため、ピアノを弾けない期間や往復の梱包運送費を心配される方も多いですが、ご要望があれば、ご家庭に置いたそのままの状態で作業することも可能です。ただし、作業時間が7~8時間かかり、その後も状態が安定するまで1~2週間おきに調整に数度伺う必要があることなどもご了承ください。
Q:グランドピアノは、どうやって運んでいるのですか?
February 9, 2015
A:グランドピアノは、まず脚とペダル部分をはずして、別々に梱包します。玄関を通らない場合には、窓などから出しますが、場合によってはピアノを縛った紐をクレーンに引っかけて吊り出すこともあります。トラックに倒れないようくくりつけて運び、写真左のように立たせて、運び入れます。脚を付てピアノを傾けてゆき、最後の脚はピアノを持ちあげながら取りつけます。残りの部品も取り付けたら完了です。
Q:ピアノ教室にあるグランドピアノでは弾けた曲なのに、なぜか家のピアノでは弾けないのですが?(連打ができない。)
A:グランドピアノとアップライトピアノは、基本的な造りが違うため、演奏技術の上達と共に物足りなさを感じる方がほとんどです。しかし、あまりに性能差が大きい場合は以下の理由が考えられます。
もしかして、20~30年前に製造されたピアノではありませんか?始めはバットスプリングコード(フレンジコード)に絹糸が使用されていたようですが、コスト削減のため木綿糸が使用されていた時期があり、経年変化により切れていることが考えられます。症状として、鍵盤の戻りが遅くなり、トリルなどの連続打鍵が難しくなります。現在は再び材質が見直され、おそく百年は大丈夫とされるナイロン配合の糸が使用されています。バットスプリングコード(フレンジコード)張り替えは別料金になります。
Q:よその業者で買い替えを勧められたのですが、修理して使うことはできませんか?
A: メーカーや保管状態によっては大規模修理を施さなくても蘇らせることができます。
思い出のつまった思い入れのあるピアノでしたら、なおのこと修理して蘇らせたいものですよね。ところが、他社で見積もりをしてもらったら、オーバーホールにとんでもない金額がかかると言われ、さらには買いかえを勧められてしまい、お悩みの方も多いようです。
音楽工房ピアノサロンでは、長年使用されず、調律もされずに眠っていたピアノでも、メーカーや保管状態によっては工房に預かっての大規模修理を施さなくても、アクション・鍵盤などの持ち帰り修理と、数回の出張修理で蘇らせることが可能な場合もあり、その分他社より低料金でできるので、「買い換えた方が安く済みますよ」と提案されてお悩みの方にも、この料金で「ここまできれいに直るの!」と喜びと驚きの声をたくさんいただいております。是非、音楽工房ピアノサロンにご相談ください。
まずはお見積りに伺います。電話によるお見積りは無料です。(他社の詳しいお見積もりがある場合でしたら、お電話だけでもある程度必要な修理がわかりますので、修理料金の比較ができます。)出張お見積もりは、出張料をいただく場合がございますが、調律や修理をされた時に代金からお見積もりの出張料をお引きいたしますので、実質無料となっております。
写真は、ある大学で代々受け継がれてきたピアノを学生さんが自分たちで修理しようと頑張ったのですが手に負えず、音楽工房ピアノサロンで修理をしたピアノです。ピアノを移動させることなく、中身(アクション)をお預かりして修理し、数回通って修理・調整を行いました。
Q:電子ピアノがあるのですが、ピアノ教室の先生から本格ピアノへの買いかえを勧められました。本当に買い替えは必要ですか?
A: よくタッチが違うと強調されることが多いようですが、電子ピアノと本格ピアノの最大の違いは『倍音』です。
電子楽器は、理論上計算された音が出るため狂いがないというメリットがありますが、実際に弦がはってあるピアノがお部屋にあれば、演奏していない状態でも、人間の耳には聞き取れない音域の無限倍音が生活音に共鳴して発生し続けますので、常に右脳が刺激され、音感の発育に良い影響が及ぶと期待できます。置き場所や移設手段、高額な購入資金など難しい問題はたくさんありますが、最初からあきらめず、是非ともピアノ導入をご検討ください。ご相談いただければ、業界ネットワークで程度の良い中古ピアノをお探しすることができます。
Q:あまり弾いていないので、調律しなくて大丈夫ですか?(毎年調律をする必要がありますか?)
A:通常問題がなくても一年に一度の間隔で定期作業をお勧めしています。
毎年、音律を整える(調律)だけでなく、掃除・整調・整音などピアノの状態をさらに良くする、また保つための作業も順次行っております。
しばらく調律をされないと、また良い状態で安定させるまでに幾度かの作業が必要になる場合があります。
(長年調律していなかったピアノの中からネズミの死体!?が・・・)
長年調律していなかったピアノの中にネズミが入り込み、ピアノ内部のフェルトやヒモなどの部品ををかじり取って巣をつくっていたり、尿などでシミやサビやいやなニオイを発生させるという被害の事例がございます。